「闇金ウシジマくん」が完結を迎えました。
単行本派だったので、発売されるのを心待ちにしていましたが、
終わってしまうと心にぽっかり穴が空いてしまったような
何とも言えない気持ちになります。
終わってしまったとはいえ、「闇金ウシジマくん」から多くのことを
学んだので、まだ読んでいない人に向けてレビューをします。
「闇金ウシジマくん」とはどんな作品なのか?
その名の通り「闇金」をテーマにした作品です。
主人公の「丑嶋馨」が社長をしている闇金会社、「カウカウファイナンス」を
訪れる客に視点を置いて描かれます。
そのため、基本的にはメインエピソードは客視点で話が進みます。
なんといってもこの作品のウリは圧倒的なまでの
取材に基づいたリアルな描写ですね。
読み進めていくと胸糞な展開が多いです。
「漫画にありがちなハッピーエンドは皆無です」世界のどこかで同じ状況があってもなんら不思議ではない内容です。
まあ、実際にあった事件や人物がモデルになっているので、
それも納得ですね。
私たち素人にも闇金にお金を借りにくる客は一癖も二癖もあると
想像しやすいと思いますが、客の数だけドラマがあり、
色々と考えさせられる描写も多いです。
「闇金ウシジマくん」で学んだ点とは?
学んだというと大げさかもしれませんが、
強いていうと「お金の大切さ」ですかね。
そもそも、「カウカウファイナンス」は10日で5割返済なので、
まあ、完全に違法なのですが、それでも来る客は絶えません。
そもそも金がない理由もギャンブルであるとか、
見栄を張るためにブランド品を買うとか
まあ、分不相応な生活を送るためと、
完全に借りる瞬間から返せるあてが
ないパターンほとんどです。
で、結局堕ちていく客の多いこと。
自業自得の客が多いですが、
一方で、自分も足を踏み外していれば
他人事と言えないエピソード(フリーターくんなど)もあり、
自分を戒めるためにも出会えてよかった作品です。
闇金ウシジマくんを全巻読んでのレビュー
この作品は「丑嶋馨を反面教師としてお金の大切さを学べる作品」です。
丑嶋馨は主人公であって、正義の味方ではありません。
むしろ、悪の方が近いでしょう。
返済しない客は廃人になるまでとことん追い詰めるし、
どんなことがあっても決して妥協しません。
それはたとえ相手がヤクザであってもです。
「彼の言葉は筋が通っていて、世間の言葉を
代弁しているような強い説得力があります」
46巻を読み終えると、良質のドキュメンタリーを
見終えたような感覚に陥りました。
ここまで世界観にドップリ浸かれたのも、
作者の取材力に基づいた世界観があってこそですし、
何より、他の登場人物が時を経て、成長していく、
絆が深まっていくところが感慨深かったです。
でも、これは決して胸糞悪い結末ではありません。終わり方としてはベストでしょう。
自分を戒めるためにも今後も読み返したいと思います。
ということで、真鍋先生お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。
久しぶりの短編集も届くのが楽しみです。